相続したいらない土地の手放し方

2026年10月9日更新

先に答え

相続した土地は、建物がなく、境界がはっきりしていて、管理に手間のかからない土地なら国に返せます(相続土地国庫帰属制度)。国に払うのは、審査手数料1筆1万4千円と、承認されたあとの負担金原則20万円です。山林や市街化区域の宅地は面積で負担金が増えます。

建物が残っている、境界がはっきりしない、崖がある、といった土地は国に返せません。その場合は、訳あり物件の買取業者に査定してもらうのが、お金を払わずに手放せる見込みを最初に確かめる方法です。

持っている土地の種類から選ぶ

国に返せるかどうかと、負担金の額は、土地の種類(登記の地目と、いまの使われ方)で大きく変わります。

土地を手放す4つの方法の比べ方

方法お金断られやすい土地かかる時間
国に返す払う。手数料1筆1.4万円+負担金20万円〜建物・崖・境界が不明・通路・管理の手間がかかる森林審査の目安が8か月
買取業者に売る受け取る(0円に近いこともある)業者が再販できない土地(山奥の山林など)査定から数週間〜
お金を払って引き取ってもらう払う。業者ごとに違う業者による業者による
隣の人・自治体に譲る0円が多い(登記の費用はかかる)相手に使い道がない土地相手しだい

この順番で確かめると、お金のかからない方法から試せます。

  1. 建物と境界を確かめる。建物があれば国には返せません。境界の杭が見つからない、隣の人ともめている土地も同じです。
  2. 買取業者に無料で査定してもらう。値段が付けば、国に払う20万円以上のお金がかからずに済みます。建物付きや共有名義の土地は、ここで決まることが多いです。
  3. 値段が付かなければ、国に返せるかを法務局で相談する。相談は無料・予約制で、家族が代わりに相談することもできます。持っていく資料は印刷用チェック表にまとめました。
  4. 国にも返せなければ、隣の人に譲るか、引取り業者を比べる。お金を先に求める業者には払わないでください(業者の確かめ方)。

申請5,997件のうち国に返せたのは3,119件

法務省の統計(2026年8月31日時点の速報値)では、制度が始まった2023年4月からの申請は5,997件、国に返せた(帰属した)土地は3,119件です。審査が終わった4,443件で見ると、取下げが1,139件あり、そのうち405件は「却下・不承認になると分かった」ための取下げでした。

申請しても、手数料は返ってきません。申請の前に法務局の相談で、当てはまりそうな要件を確かめておくと、手数料を無駄にせずに済みます。くわしくは国に返す制度の要件と流れにまとめました。

相続登記の期限は2027年3月31日

2024年4月から相続登記が義務になりました。それより前に相続して登記していない土地は、原則として2027年3月31日までに登記しなければならず、正当な理由なく放っておくと10万円以下の過料の対象になります。手放すつもりの土地でも、売るときは相続登記が先に要ります。順番は相続登記の期限と手放すまでの順番にまとめました。

よくある質問

いらない土地は国に返せますか

相続か相続人への遺贈で取得した土地なら、相続土地国庫帰属制度で申請できます。ただし建物がある土地、境界がはっきりしない土地、通路として使われている土地などは申請できず、崖や管理の手間がかかる土地は承認されません。

国に返すのにいくらかかりますか

審査手数料が1筆14,000円、承認されたら負担金が原則20万円です。市街化区域の宅地、一部の区域の農地、山林は面積で負担金が増えます。山林は750㎡以下でも21万円台からです。

相続登記をしていなくても手放せますか

国庫帰属の申請は、相続人であることを示す戸籍などを付ければ相続登記の前でもできます。ただし2024年4月より前に相続した土地の相続登記は、原則として2027年3月31日までにする義務があります。売る場合は相続登記が先に必要です。

数字と要件は2026年10月9日に法令と法務省の公表資料で確かめました。制度や統計は変わることがあるので、申請の前にリンク先の最新の情報と法務局の相談で確かめてください。